メソポタミアに生まれた古代バビロニア王国のハムラビ王は、巨大なバビロニア王国をきちんと治めるため、現代の社会で言う「法律」を定め、くさび形文字で書き残し、王国内の全ての国民が、同じ「きまりごと」に従うように命じました。この記録が残る世界最古の法律を、「ハムラビ法典」と呼んでいます。この法律では、人々を、「高貴(こうき)な人々」、「普通の人々」(市民)と、「奴隷」の三つの階層の人々に分けています。さらにそれぞれの階層の人々を、男性と女性に分けて、それぞれの立場の人々に何が許され、何が許されないかが決められていました。さらに、この決まり事が守られなかった時、守らなかった人に対してどのような罰を与えるのかも決められていました。

ユバル・ハラリ、「サピエンス全史」(2015年)、ビンテージ出版